11月末から12月初めにかけて、経営者によるメッセージを発信する企業が多くなりました。年末年始は、業務中、業務外、私生活においても、注意すべき事項が多い時期です。本日は、年末メッセージについて、考えてみます。
年末年始は、例月より業務の繁忙度が高まります。コロナ禍で3年間自粛していた各種会食、忘年会やクリスマスパーティなども、今年は実施することでしょう。その際、役職員と会社を守る為に、強く意識すべきことがあります。経営者は、従業員の皆様が安全・安心・健康で、幸せに新年を迎えて欲しいと願うでしょう。
会食時の注意点としては、お酒が入ると気が緩むことから、強い口調、極端な言い回し、性的表現を含む冗談などの発言を避けることです。ハラスメント予防です。二次会があれば、更に発言や行動に気を使います。特に、地位や年次が高い人は、要注意です。イッキ飲みは、多様性とは無縁の代物ですから、禁止した方が安全です。
タクシーで帰宅する場合には、異性と二人きりにしないよう、上司は配慮が必要です。タクシー内でのハラスメントは、この時期、特に多い傾向にあります。お互いに異性には、期待しない、期待させない言動が、ハラスメントから身を守ります。
12月1日施行の道路交通法の改正も、リマインド必須です。具体的には、二点です。
① 安全運転管理者に対し、目視等により運転者の酒気帯びの有無の確認を行うこと及びその内容を記録して1年間保存することを義務付ける規定(令和4年4月1日から施行)
② 安全運転管理者に対し、アルコール検知器を用いて運転者の酒気帯びの有無の確認を行うこと並びにその内容を記録して1年間保存すること及びアルコール検知器を常時有効に保持することを義務付ける規定が設けられました。
多くの企業は、アルコール検知器を導入しています。検知器で基準超過しているが、安全運転管理者が目視にて酒気帯びでない問題がないと判断し、運転を許可することがないよう、強く注意喚起すべきです。検知器の基準には満たないが、顔色や声質、身体の動きから、運転を自粛させる位の安全性が求められます。法の目的は、交通事故の削減と安全運転の励行です。誤解させないように注意喚起しましょう。
万が一、自動車事故が起きたら、クルマを安全に停車、被害者の救護を最優先し、警察や消防への連絡、最後に会社への報告を行うことも、リマインドしておけば、実際にあった場合に慌てずに行動できます。当該措置を行わずに立ち去れば、ひき逃げ犯人として逮捕され、前科がつきます。社会の信頼もなくなり、就業規程違反の処分を受ける、家族にも迷惑をかけるなど、失うものが大きいと認識させましょう。
年末は、決算や四半期末などでもあるので、売上目標や利益、売掛金の回収など、数値や実績に拘りたい時です。しかし、繁忙度が高い時だからこそ、経営トップが、役職員の健康と安全に対してメッセージすることで、未然防止に繋がります。
経営トップが売上や利益に関するメッセージを発信しても、何も変わりません。しかし、コンプライアンスやハラスメントに関するメッセージを発信すると、役職員が気遣うようになり、事故、ケガ、ハラスメント行為を未然に防ぎ、結果に現れます。さあ、年末メッセージを発信しましょう!



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