保守用車両の衝突事故

trains at railway station in tokyo in japan

愛知県内にて、保守用作業車両同士が衝突して、脱線しました。その影響で、新幹線の運転見合わせが、終日続きました。本日は、保守用車両の衝突事故を契機に、点検や監査中におけるリスクについて、考えてみます。

保守用作業の目的は、運転終了後の深夜において、列車が正常に事故なく走行できるように、異常値がないかを点検して、保守管理を行うことです。それゆえ、保守用車両が走行中は、自動列車制御装置などの高度衝突回避装置は作動しません。

今回の事故を通じて考えておきたいことは、点検や監査の業務においては、点検や監査そのものの適切性に加えて、点検や監査を取り巻くリスクがあることを認識して、取り巻くリスクを最小にする対策も必要だと言うことです。

人員効率や費用などに限界があることは承知していますが、ITやDXなどを活用して、点検や監査の時にも、異常値現象が発生した場合に、被害を回避軽減する仕組みを設けておくことが、求められてくると思われます。

一般の企業においては、社内点検や監査が実施され、内部統制の実効性を把握して改善する取組みが行われています。今回の事故を通じて教訓にしておきたいことは、社内点検や監査において、その手法自体に異常値や漏れ誤りが生じることがあるということです。

例えば、一定期間や一定メンバーが行う点検や監査の結果が、優良評価や劣等評価が他に比較して異常値である場合や、実施者の中にハラスメント体質を疑われる人物がいるなど、点検や監査メンバーやその評価目線が適切に行われているかという観点で見ることも、時には必要ではないかと思われます。

それゆえ、新たな年度の点検や監査が始まった一定期間は、その結果や運用について、オンサイト、オフサイトの両方において、実態を把握することを試行的に行うと良いかと考えています。そのような観点で、自社の現状の点検監査を見てみるだけでも、新しい視点が加わり、より良い業務運営に繋がると思います。

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