郵送募集の業務品質

a mailbox in winter

遠方のお客様契約や企業構成員や団体契約などにおいて、郵送募集という方式があります。保険会社が認めた意向把握や確認、情報提供が行われることが前提で、この方式が認められています。本日は、郵送募集の業務品質について、考えてみます。

契約者へ書類を郵送する為には、唐突に送付してもお客様の目に止まらず、契約の意向や意思が定まりません。新規契約では、契約者が集まる場所で説明を行い、その場で書類を配布して期限内に返送していただく手法で、意向把握確認や情報提供、重要事項説明を担保しています。更新契約では、メールや電話、社内通達などで通知して、到着した頃を見計らって説明するなどを行い、上記義務を担保しています。

この方式は、社会一般から見ると、決して業務品質が高いとは言えません。メールは字数が多いと最後まで読まれず、電話は時間が十分に取れないなど、漏れなく十分な説明や理解を得られるかという観点で、高い業務品質からかけ離れています。

一部の保険会社では、書類の中にスマホのQRコードを記載して、自社サイトに誘導してお客様ご自身に契約内容を確認していただき、補償内容や必要な情報を読んで理解いただく方式や、簡易版パンフレットを同封する方式を推奨しています。

特に、生損保共に更新契約においては、前年度と補償内容を変える旨を契約者が書面や電話で連絡しないと、前年度と同じ補償内容で更新される契約が多いです。主に企業や団体の構成員が加入する契約に多いのですが、一般社会から見ると、お客様が声を挙げないと前年と同じ補償を続けることは、非常識と感じます。

保険会社や代理店から見ると、今まで何も支障が起きておらず、所轄官庁から指摘もない、契約誤りや説明漏れ誤りもかなり小さな確率でしか起きないから、特段に課題と感じないかも知れません。また、業務フローや人員効率の観点からしても、一般契約と同じ対応は無理と言われるかも知れません。

しかし、上記ご意見は、法令に抵触しないレベルの業務品質であり、高い業務品質を目指す趣旨ではありません。一般契約と同じく丁寧に対応する、各種義務を果たしたことを記録保管するなど、説明責任を果たすことが大切であり、現状を課題として捉えて、それ以上に高い業務品質へ改善していくことが求められる時代です。

郵送募集の品質を高めるには、郵送では伝わらない脆弱なポイントについて改めて整理し、デジタルやAIの力で克服していくと、業務品質が高まっていきます。そういうスキルが足りないと、業務品質が高まらないという危機感を持ちましょう。

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